「元起業家・現投資家として、スタートアップのフォーマットで社会課題を解決したい」ANRI 村井輝さん

2024-08-07

  • インタビュー

元起業家・現投資家として、スタートアップのフォーマットで社会課題を解決したい

ANRI 村井輝さん

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Startup Next編集部がお届けする、今をときめく!投資家インタビュー。志を持って活動される投資家のみなさんのバックグラウンドや考え方に、一歩踏み込んでご紹介しています。今回はANRIの村井輝さんにお話を聞きました。

村井輝
神奈川県出身。東京大学大学院在学時に株式会社Bluezoneを共同創業(2021年度未踏アドバンスト事業 / FoundX採択)。自身が小学生にかけっこ指導する中で見つけた「かけっこが苦手なために自信を失ってしまう子供たち」を一人でも多く救うべく、姿勢推定AIを活用したかけっこコーチの教育インフラ化に取り組む。2023年秋より新卒としてANRIに入社。あるべきでない負の解消された明るい未来づくりに全力で挑む起業家を強く尊敬し、隣に乗せてもらう中で起業家のビジョンの実現確率をほんの少しでも引き上げたい。自身は部活もバイトも研究も起業テーマも陸上という究極の陸上オタク。

投資条件や投資実績がわかる!投資家プロフィールはこちら👇(顔写真をクリックするとプロフィールを閲覧できます。)

村井さんが審査員をされる「QWS STARTUP AWARD 2025」の応募は2025年1月14日(火)まで!

まずは、村井さんについて教えてください!

私自身を一言で紹介すると「生粋の陸上オタク」です。

部活もバイトも研究も全て陸上という大学学部時代を過ごしました。大学院時代には株式会社Bluezone を共同創業し、「スポーツで悩む子供をゼロに」をビジョンに、姿勢推定AIを活用したかけっこコーチの教育インフラ化に取り組んでいました。

「小学生は足が速い子がモテる」と言われることもあるように、小学生にとって足が速いかどうかは友達との関係性に影響を与える大きな要素でもあります。走るのが苦手な子にとっては、かけっこが辛いものになることもある一方で、走り方を教わる場はほとんど存在しませんでした。そこで、「姿勢推定AIといくつかの特徴量を用いた条件分岐によるコーチの眼と脳を再現し、教育インフラとして小学生みんなに届けられないか」というチャレンジをしていました。

(写真:小学生へのマンツーマン指導の様子)

Bluezoneでの事業づくりの日々はとにかく面白かったです。熱狂的に使ってくださるご家族、実際に足が速くなり自信を取り戻す小学生、大手スポーツクラブなどへの導入など自分たちなりに頑張りましたが、最終的に、スタートアップとしては失敗に終わりました。

理由はたくさんありますが、最も大きな理由は「姿勢推定AIを活用したかけっこコーチの教育インフラ化」という課題が、スタートアップとして成立させることが極めて難しいマーケットに位置していたことでした。

もちろん、スタートアップでなくスモールビジネス等で地道に続けることも考えました。ただ、どちらにしてもマーケットが厳しく、持続性の低い事業モデルになる懸念や、目指していた社会的インフラ規模への到達は非常に困難だと予想されました。そのような状況で、「それでもここからの人生をこの事業に賭けられるのか」をチームで話し合った結果、会社は一旦休止しようという判断になりました。

(写真:サービス利用者から頂いたお手紙 )

村井さんが投資家になったきっかけは何ですか?

自身の事業休止後、改めて人生について考える中で「資本主義が時に向かい風になる世の中で、何とかしてスタートアップのフォーマットで社会課題を解決できないか」というテーマに自身の興味が変化していくのを感じました。

そして、少し大げさかもしれませんが、「人類全体で解いた社会課題の総和を増やすこと」を自身の人生の目標としたとき、必ずしも起業家としての立場にこだわる必要はないと思いました。

むしろ、自らが起業家として活動するのではなく、投資家として事業の可能性を見出し、資本を提供し、投資先の成功をサポートすることが、自分が社会に提供できる価値を最大化する方法だと考えるようになりました。

この考えが頭から離れず、VCへの転身を決意しました。そして「スタートアップのフォーマットで社会課題を解決したい」という私の考えを受け入れてくれたANRIという組織で、23年 10 月より新卒ベンチャーキャピタリストとして働いています。

現在はどんなところに投資していて、投資先とはどんな関係ですか? 

個人としては現時点で投資に至った企業はないのですが、ANRIとしてはプレシードからシード期にリードVCの立場として入らせていただくことが多いです。金額はケースにより異なりますが、「ポストマネー(資金調達後の時価総額)3億円で、3,000万円〜5,000万円の出資」が目安です。

領域としては、基本的にオールジャンルです。個人的興味領域を1つあげるすると、AIによる行動変容(≒Coaching)が好きです。「やるべきだけど面倒くさいこと(学習、ダイエットなど)をやらせる仕組み」をソフトで安価に、スケーラブルに民主化できるのは夢があると思っています。

また、少し話が広がりますが、「生まれた時から共に過ごしてきたAI」がいた場合、そのAIの発言が子供に対してどの程度の影響を持つのかも興味があり、Heeyoのような子供向け市場にも強い興味があります。

お話しさせていただいた上で私よりも知見がある社内メンバーがいれば、お繋ぎすることも可能です。まずはお気軽にお声かけいただけたらと嬉しいです。

投資先との関わり方は、基本的には起業家の求めるかたちで、いわゆるハンズイフのスタイルで行っています。事業の細かな手段に関しては起業家の方がはるかに考えており詳しいはずなので、視野の拡大・視点を返す・視座を上げるなど、第三者だからこその価値を出せるような関わり方を心がけています。

また、起業家同士が仲良くなることは、助け合いや時に健全な嫉妬が生まれる環境づくりにおいて重要だと考えています。そのため、ANRI投資先の若手同士の横のつながりを作ることを目的としたU30会などのイベントを企画しております。

魅力を感じる起業家はどのような人ですか?

魅力に感じる起業家は強い思い・偏愛を持った「オタク」です!

VCという立場である以上、当然エコノミクスは大事にしなければいけませんが、「強い思い・偏愛を持って規格外の馬力で未踏的なことに挑むオタクへのリスペクトと愛」が私の根源だと思っております。

是非、お会いする中で事業への愛をお聞かせいただけると嬉しいです!

今後の展望とスタートアップ起業家へのメッセージをお願いします!

起業家の皆さまとともに苦しみや喜びを共有しながら、あるべき圧倒的な未来への道のりにご一緒できたら嬉しいです。そして、ほんの少しでも実現確率を高めるお手伝いができればと思います。

シード期で初めての資金調達は分からないことが多いと思います。私自身も、起業時に何も分からない中で投資家を回り、「情報格差を利用されているのでは」と感じたこともあれば、投資家からのアドバイスで新たな視点を得て一気に視界が開けたこともありました。

そうした経験から、元起業家と投資家の双方の視点を活かして、フラットに話せる投資家でありたいと思っています。「調達するべきか分からない」「何を相談していいのか分からない」と感じている方も、お気軽にお声掛けください!

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